打ち合わせ

打ち合わせ

住宅や商業空間の設計を依頼する上で、後の完成した状態に大きく影響を与えることになるものが打ち合わせです。

設計を依頼してから、デザインの細部を詰めていくまで、毎週のように設計事務所、建築事務所、ハウスメーカーなどと打ち合わせを繰り返していくことになります。この打ち合わせは、皆さんが住宅や商業空間に大きく影響を与えることができる部分です。率直に言いますと、この打ち合わせの濃さで、後に完成し、時間を過ごしていく上での満足度が変わってきます。実際に家を建てる作業をしていくのは工務店であったり大工さんであったりしますし、図面を書いていくことは設計士の仕事になりますので、この打ち合わせで多くのことを話し合っていく必要があります。

打ち合わせ内容

打ち合わせは、建築を設計していく上で何度もしていくことになるので、その都度、段階を踏むごとに内容は変わっていきます。

順番は

出会う

初回打ち合わせ

提案

契約打ち合わせ

設計契約

工事費見積もり・契約

工事開始

引き渡し

このような順番が一般的になっています。打ち合わせとは名付けられていないものもありますが、依頼先と会うときは、何かしら話し合いながら設計を進めていくことになります。

出会い

依頼先との出会いは打ち合わせではないだろうと考える方もいるかもしれませんが、依頼先と初めて顔合わせをして、そこでお互いを知っていこうとするところから打ち合わせは始まっていると考えてください。設計は皆さんと依頼先の共同作業です。依頼先に皆さんの全てを知ってもらう必要はありませんが、お互いを深く知ることが、後に満足のいく空間を手に入れることにつながっていきます。

そして同時に、出会いは出会いでしかありません。そこから本当に依頼するのかどうかは皆さんが依頼先に任せたいかどうかで決まってくるものです。なので、あまり深く身構えず、小さな質問でも気軽に尋ねていけばいいです。もちろん、設計の依頼をしようと考えている時期がはっきりしていない場合でも、とりあえず気軽に尋ねてみるといいです。ひょっとするとそこから皆さんに将来の具体的なイメージが出てくるかもしれません。

初回打ち合わせ

この初回打ち合わせから、より完成した状態を見据えた具体的な話へと移っていきます。何としても設計に取り入れてもらいたい要望などがあれば、遠慮なくなんでも設計士や営業に伝えていきます。設計に対する要望だけでなく、ちょっとした料金や、暮らし方など些細なことでもなんでも尋ねて大丈夫です。この初回の打ち合わせの内容は、このときにとどまらず、設計士に提案してただいた後もずっと続いていくことです。この打ち合わせを何度か経ることで、設計側が、皆さんの要望やこだわり、皆さんの人柄など様々なことを考え整理しながら、提案にまとめていきます。

提案

何度か打ち合わせをした後、ついに間取り図(平面図)の提案になります。打ち合わせをしていく上で一番楽しみな瞬間の一つですね。ここで一気にどんな空間ができあがるのかイメージになって出来上がってくると思います。この間取り図は、数回の打ち合わせで出てきた要望などを考えて作られます。ここで一度間取り図を提案していただけるのですが、ここで間取りを最終決定する必要は全くありません。この提案をいただくまでの期間で新たに考えたこともあるでしょうし、そのようなことは後まわしにせず遠慮なく申し出てください。後に完成してから「やっぱりあの時こうしておいたほうがよかった」なんてことを思ってもどうすることもできません。とにかく気になったことはなんでも聞いてみるに越したことはないです。そこからまた話が飛躍することもあるでしょう。

ただ、この間取り図を提案してもらう時点から料金が発生することが多いです。なので、要望などはここまでの打ち合わせの時点でしっかりまとめて設計士さんなりに伝えておくほうが良いです。

再検討

提案してもらった計画にどこか気に入らない部分がある場合や、新たに組み込んでもらいたい要望が出てきた場合などには、新しい間取りを考えることを設計士に頼むこともできます。そして設計事務所などに設計を依頼する場合は、最初の提案がそのまま通ることも稀です。ほとんどの場合、何度か提案をしてもらってから決めることになります。もちろん再提案をしてもらう場合には、料金が発生することになります。決して安い料金ではないので予算とも相談しながら進めていく必要があります。しかし、設計を頼むことは人生で数度あるかないかの大きなイベントの一つであることも多いので、妥協せず、直してもらいたい部分がある場合は頼んだほうが良いです。

設計契約打ち合わせ

工事費見積もり、工事契約

設計者に提案してもらった計画に合意をすると、実際に契約を結ぶことになります。この契約の形はハウスメーカーや設計事務所によって違うものになります。

設計監理契約

この「設計監理契約」は設計事務所に建築を依頼するときに結ぶ契約です。この契約によって設計側は工事の施工者から独立して業務を進めることができ、施工者側ではなく施主側(みなさんの立場です)を優先的に考えながら監理をしていくことになります。これは設計事務所に設計を依頼するときの大きなメリットの一つです。というのも

設計監理契約を結ぶタイミング

設計監理契約を結ぶタイミングは、ここではプランの提案後としましたが、設計事務所によってタイミングが変わってしまうのが実情です。多くの設計事務所はこのページで紹介している順番ですが、中には契約後にプランの提案をすることが決められている設計事務所もあるので、事前調べておく必要があります。

工事請負契約

ハウスメーカーや工務店に設計を依頼する場合に結ぶことになる契約が「工事請負契約」です。これは「請負契約」です。依頼先は仕事を完成させることを約束し、みなさんはその仕事に対しての報酬を支払うことを約束するものです。この場合、工事の主導権は依頼先につくことになりますので、施主側の要望はここから先はかなり通りにくいものだと考えてください。もちろんこの契約の後もさまざまなことをしてくれる工務店も存在しますので、事前にたずねておくといいでしょう。

設計事務所に設計を依頼する場合

設計事務所に工事を依頼する場合もこの工事請負契約は結ぶことになります。というのも設計事務所は工事そのものを行うことはできないのです。なので、設計事務所が作成した図面などを工務店などに提出し、そこで工事にかかる金額などが算出され、契約を結ぶことになります。そこでの契約は設計事務所が交渉をしながら主導して行ってくれます。そこで工務店などの工事業者からの見積もりと予算が合わないことがあれば、細部の見直しなどをおこない、予算計画にあったものに近づけていき、工事請負契約に向かっていきます。

工事開始

工事請負契約が結ばれると、いよいよ工事が始まります。ハウスメーカーや工務店に依頼をした場合は、その依頼先で一括して監理をしていきます。設計事務所に依頼をした場合は工務店などが進める工事を外部からの目で監理をしながら工事を進めていくことになります。ただ外部からの目といっても、必ずしもみなさんの側だけを考えた監理ではありません。設計事務所の中には、ハウスメーカーや工務店と業務委託をしているところも沢山あります。本来はそうあるべきではないのですが、残念ながら設計事務所と工事側の、力関係では工事の施工側の方が強くなってしまっていることもあります。これはみなさんの方でも見極める必要があります。設計事務所に頼む場合は、事務所側の現在まで関わったプロジェクトなどをチェックしながら探してみてください。

一般的に打ち合わせで話し合うことは次のようなものが挙げられます。

設計を依頼する上で、設計図を描くことであったり、素材の調達、材料会社との交渉などは設計の依頼先に任せることが通常となります。